アルティメットを始める君へ(1)


アルティメットを始める君へ(1)

ぼくは、四谷駅のホームに両親と一緒にいた。大学の面接が終わったのだ。
5分という面接時間だったのだが、面接教官との話しが盛り上がり15分近く話してしまい、母親が心配していた。ぼくは、どうせ落ちると思っていたので、東京は土地がないから立体的だの、人が多すぎてお祭りみたいだなどと東京について感じた事を臆面なく話した。教官も聞き上手な方で予定時間の5分を過ぎても気にせず、結果15分も話してしまっていた。

2週間後、合格通知が届いた。
思いがけず、東京の大学生になったのだ。

約4ヶ月後の4月1日の入学式の朝、ぼくは約4ヶ月前のぼくとは違った立場で四谷駅のホームにいた。

大学生活が始まり、プロゴルファー目指して入部したゴルフ部をさっさと辞めてしまったぼくにクラスメイトが着替えとスパイクをもって一緒に来るように声を掛けてきた。
ある日ぼくは彼に連れられ、校門をで出て短いトンネルをくぐった。ひんやりとしたトンネルを抜けると、眼下にグラウンドでたくさんの人が動き回っているのが見えた。
グラウンドの向こうは丸ノ内線の線路だった。
グラウンドにつくと、とりあえず着替えた。着替えたぼくに先輩と思われる人が寄ってきて、清々しい笑顔で、ここに名前を書くように言ってきた。何の疑問も無しに書いた。あとで気づいたことだが、これでアルティメットサークルへの入部の手続きが終了した。

こんな感じで、ぼくのフライングディスク人生が始まった。

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