アルティメットを始める君へ(13)


環境(13)

環境が人を変化させ、成長させる。このことはぼくは間違っていないと思う。大学時代、全日本で優勝を狙えるチームに所属し、日本代表にも選ばれ、天狗になっていたぼくも地元では無名なただの人。何も伝えなければ何も伝わらない。肩書きだけでは通用しない。伝え方も間違えると嫌みになってしまう。やってみせ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば、人は動かじとは山本五十六の言葉。フィットネス本郷での経験、会津大学での経験、そして岩手県北上市で開催された全国スポレク祭がぼくを大きく変化させ成長させてくれた。いつしか自分が満足するプレーからチームメイトが満足するプレーを心がけるようになった。自分が喜ぶよりもアルティメットを始めたばかりのチームメイトが喜ぶ顔が嬉しかった。
『全国スポーツ・レクリエーション祭』は、勝敗のみを競うのではなく、誰もが、いつでも、どこでも気軽にスポーツ・レクリエーション活動を楽しみ、交流を深める事を目的として、昭和63年から各都道府県持ち回り方式で毎年開催されるイベントで、2005年は岩手県での開催。北上市ではフライングディスクが開催され、アルティメットとディスクゴルフが北上市総合運動公園で行われた。500名以上の参加という過去に例を見ない大成功に終ったフライングディスク特にアルティメットにかける北上市の木野君はじめ参加していた面々に押され、毎年アルティメットの大会を東北で開催する事を閉会式で宣言してしまった。これがアルティメット東北リーグの始まりになった。そのきっかけはやはり北上市の人たちだった。社会人から始めた北上市の面々が口をそろえてアルティメットの魅力を語ってくれていた。心が動いた。アルティメットに心を動かされたのはぼくだけではなかったのだ。大学の恩師、諸岡先生がいつも言っていた、”Ultimate changes my life." ふとこのフレーズが浮かんだ。ぼくには大学時代から先輩にもらったものがたくさんある。それをかえさなければ、恩返ししなければいけない。それに気づいたのがこのと時だった。フライングディスク人口の拡大とアルティメット日本代表の輩出というアルティメット東北リーグの趣旨が決まったのもこういう想いがあったからだ。

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