原風景

どこまでも広がる青い空、ふかふかの芝生、軽やかなBGM、白いディスク。
これがぼくのアルティメット大会の原風景。
大学2年生で初めて参加した91年トロントの世界クラブチーム選手権大会。
聞き慣れない会話、さまざまな肌の人々、そして笑顔。
ゴルフカートで配給の水を運んでいる運営の人たち。
すべてが新鮮で、すべてが楽しそうだった。
だからぼくが今携わっているアルテの大会はすべて
運営側が一番楽しむように心がけているし、伝えている。

大学1年生のとき、よく実家に帰ってきていた。
浅草から東武鉄道に乗り、野岩線、会津鉄道と乗り継ぐ。
最寄り駅の手前からの風景が、地元の原風景。
風に稲がたなびき、水面が山々を映す。
緑の山々には生命力を包容する優しさと力強さがある。
まるでトトロの世界は、実際にあった。

最初に心に響いた風景が原風景というのだろう。
ただ生まれ育っただけでは原風景にはなり得ないのではないか。
そこにはきっと良きにせよ悪きにせよ、心動かされる何かがあり、
忘れられない、ぬぐい去れない風景として残る。
だからこそ、子どもたちには良い原風景を持って欲しい。
きっとその良い原風景が彼らの人生を豊かにするから。

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